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家具に使われる木材の種類と特徴

家具に使われる木材の種類と特徴

具の商品ページを見ていると「ブナ突板成型合板」や「ラバーウッド集成材」など、少し難しい木材の名前を目にすることがあります。
これらは、どんな木をどのように加工して家具に使用しているかを表した言葉です。

この記事では、家具に使われる木材の「種類」と「構造の違い」をわかりやすく解説します。
木の知識を少し知るだけで、家具選びがぐっと楽しく、奥深いものになります。

木材の構造と種類

家具に使われる木材は大きく分けて次の4種類です。
「無垢材」「集成材」は天然木をそのまま使った自然素材
「合板」「突板」は加工を加えた人工素材です。

🔹 無垢材(むくざい)

天然木を丸太から直接削り出した木材。
自然な木目と手触りが魅力で、高級家具や業務用家具によく使われます。
一方で、湿度や温度による反りや割れが起きやすいという性質もあります。

🔹 集成材(しゅうせいざい)

小さく切り分けた天然木を接着剤で貼り合わせたもの。
無垢材よりも反りにくく強度が安定しており、テーブル天板などに多く使用されます。
コストパフォーマンスも高く、業務用家具でも人気です。

集成材

🔹 突板(つきいた)

天然木を0.2mmほどに薄くスライスした「木のシート」。
合板などの芯材の表面に貼って使います。
無垢材のような風合いを手軽に再現できる反面、表面が薄いため削り直しなどの修正は難しいです。

突板

🔹 合板(ごうはん)

薄くスライスした木材を、繊維方向を直角に交互に貼り合わせた板
反りに強く、安定性と強度を両立。
家具では表面に突板を貼った「突板合板」がよく用いられます。

成型合板・曲げ木について

成型合板

合板を型に入れ、加熱・加圧して曲げた木材
無垢材では実現が難しい滑らかな曲線や一体成形が可能で、椅子の背や座面、脚部などに多く使われます。

成型合板

曲げ木

木材に蒸気や熱を加えて柔らかくし、曲げながら成形する伝統的な技法。
木を無理なく変形させるため、強度が増し、自然なカーブを持つ温かみのあるデザインが生まれます。

曲げ木

家具に使われる主な木の種類

ブナ

ブナ(ビーチ)
淡くやさしい木目で、割れにくく加工性が高い木材。
弾力性があり、椅子の背やフレームなどに多く使用されます。

オーク

オーク(ナラ)
重厚で強度が高く、「虎斑(とらふ)」と呼ばれる独特の木目が特徴。
高級感があり、テーブルや椅子など業務用家具にも最適です。

ラバーウッド

ラバーウッド(ゴムの木)
硬くて丈夫、加工しやすく価格も手頃。
サステナブル素材としても注目され、イスや天板に多く使われています。

ホワイトアッシュ

ホワイトアッシュ
しなやかで衝撃に強く、美しい木目が特徴。
家具のほか、野球のバットや内装材にも使用される万能材です。

ウォールナット

ウォールナット
深いブラウンと上品な艶が魅力。
反りが少なく、装飾性の高い高級家具に多く用いられます。
チーク、マホガニーと並ぶ世界三大銘木のひとつです。

カバ材

カバ(バーチ)
硬くて緻密な木肌を持ち、狂いが少ない安定した木材。
「カバザクラ」とも呼ばれ、サクラ材の代替としても利用されます。

チーク

チーク
耐久性・耐候性に優れ、外部家具にも使える高級材。
使うほどに色艶が深まり、重厚感のある雰囲気を演出します。

木材の仕上げ方法(塗装の種類)

木材の風合いを守り、長く使うために欠かせないのが塗装仕上げです。

ウレタン塗装仕上げ

ウレタン樹脂を吹き付けて表面をコーティング。
水・汚れ・傷に強く、業務用家具の主流
艶あり・艶消しなど仕上げの種類も豊富です。

オイル塗装仕

植物性オイルを木に染み込ませる塗装。
木本来の質感を活かした自然な仕上がりですが、水や汚れに弱く定期メンテナンスが必要です。

ラッカー塗装仕上げ

ウレタンとオイルの中間的な仕上げ。
木の質感を残しつつ軽い保護効果がありますが、日光による変色には注意が必要です。

家具に使われる木材には、それぞれの特性・風合い・コスト・用途があります。
たとえば高級感を求めるならウォールナット、コスト重視ならラバーウッド、
軽やかさと強度のバランスならブナ材など、目的に応じて選ぶのがおすすめです。

素材や構造を知ることで、デザインだけでなく機能性・耐久性・質感まで考えた家具選びができるようになります。

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